認知症が世界を変える

認知症の傍に四半世紀。日々医療の現場で認知症に思う、私の現在・過去・未来。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

改) 介護者のあるべき姿

「地獄への道は、善意で敷き詰められている。」 介護施設で見た光景は、なんとも奇妙なものだった。 介護職員さんはみんな笑顔で優しく熱心だった。 本当に甲斐甲斐しく、利用者さんの衣類の着脱から洗濯物から入浴、排泄の介助まで、 転ばないように、ケガ…

認知症に成り行く者

祖母が他界して数年の一人暮らしの後、幻覚妄想から住み慣れた家を離れ、子供達の家へ移り住んだ祖父。 毎日塞ぎ込んで、くよくよメソメソしていた祖父。 年の近い他人である私の父に煙たがられ、母の兄弟の家に移った祖父。 祖父が身を寄せる叔父の家の玄関…

認知症かどうかが知りたい:追記あり

「ご家族は、こちらの患者さんが認知症かどうかを知りたいそうです。」 とある認知症外来で、このセリフを耳にして久しぶりに覚えた違和感。 「『認知症』かどうかがわかったら、何なのだろうか?」 検査の結果、限りなく認知症と呼ぶに相応わしい微妙な認知…

病気だから変わったのか、居場所が違うからなのか。

ある日突然、夜の幻覚妄想に襲われ近所に助けを求めた明治生まれの祖父。 springplanting.hatenablog.com その時、すぐに病院に連れて行かれたのかどうかは覚えていない。 近所迷惑だから家に一人で置いておけないと、祖父が我が家へやってきたのは私が高校…

私と認知症との出会い

今日は牡羊座の新月。 望むものにフォーカスすれば、新たなスタートにパワーをくれるとのこと。 望むもののヒントは望まないことにある。 私が認知症を見つめ続けた理由も、望むものを求めた結果だった。 改めて、今の自分を確認する為に、過去を遡り、望ん…

勝手知ったる

私が出会ってまだ10年にも満たないけれど、既に100歳を超えた恩師に会いに行った。 身体の衰えと、認知機能の低下があり、1年弱の入院生活。 その間、人伝に沢山の本を頂きながら、何かと敷居が高くお見舞いに行けずにいた。 すっかり別人になっているかと思…